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後輩の指導がうまくいかないとき、教え方より先に見る場所

後輩の指導がうまくいかないとき、多くの人は自分の教え方を疑います。ところが同じ人が、別の相手にはうまく教えられていることがあります。教え方そのものではなく、相手と場面に対して渡す量が合っていないだけ、という場合が多いのです。

教える相手によって、必要なものが違う

同じ説明をしても、すぐ動ける人と動けない人がいます。違いは理解力ではなく、その仕事に対して持っている前提の量です。前提を持っている相手には方針だけで足り、持っていない相手には手順が要ります。

うまくいかないときは、この二つが逆になっていることが多い。前提のない相手に考えさせようとすると、考える材料がないので止まります。前提のある相手に手順を渡すと、指示されていると感じます。

見分ける方法は、その仕事の目的を相手に言ってもらうことです。目的が言えるなら手順は要らず、言えないなら手順から入る。理解度を測る質問より、この一つのほうが実務的に使えます。

考えさせるのは、時間があるときだけ

自分で考えさせるほうが身につく、というのは正しい。ただし、身につくまでの時間がかかります。締切が近い仕事で考えさせると、間に合わないうえに本人も追い詰められます。

使い分けの目安は、やり直しがきくかどうかです。やり直せる仕事なら考えさせて、失敗ごと経験にしてもらう。やり直せない仕事は手順を渡して、あとから理由を説明する。順番が逆になると、どちらも損をします。

考えさせると決めた場合は、そのことを本人に言っておくほうがいい。答えを持っているのに出してこない人だと受け取られると、聞きに来なくなります。

待つ長さを、先に決めておく

任せたあと、どこまで待つかを決めていないと、気になったところで口を出すことになります。本人からすると、任されたのか見られているのかが分からない状態になります。

決めるのは時間か、区切りのどちらかです。二日経ったら見る、この工程が終わったら見せてもらう。先に伝えておけば、その間は本人の時間になります。見に行くのも、割り込みではなく約束になります。

待つのがつらいのは、失敗したときの責任がこちらに来るからです。ただ、待たずに口を出し続けると、責任はずっとこちらに残ります。渡すつもりなら、失敗する余地も一緒に渡す必要があります。

そばで見るやり方が悪いわけではありません。手を離せない仕事なら、見ていることを言ったうえで見るほうが、本人も安心して手を動かせます。隠れて見ているのがいちばん効きません。

同じことを何度も聞かれるのは、伝え方の問題ではない

同じ質問が繰り返されるとき、説明が悪かったと考えがちです。実際には、聞いたことが残る形になっていないだけのことが多い。口で説明したものは、その場では分かっても翌週には残りません。

残る形にするのは、教える側の作業です。手順を一枚書いておく、判断の基準を三行だけ残す。書いたものがあると、二度目からは場所を教えるだけで済みます。

何度も聞きに来ること自体は、悪い状態ではありません。聞かずに間違えるより、はるかに扱いやすい。聞きに来なくなったときのほうが、実は危ない場面が多くなります。

同じ質問が三回来たものは、書いて残す価値があると考えると分かりやすい。三回来るということは、その仕事をする人全員が引っかかる場所だということです。次に入る人の分まで、そこで済みます。

うまくいっていない、と感じる基準を確かめる

指導がうまくいっていないと感じるとき、比べている相手が自分の同じ時期であることがあります。自分は三か月でできたのに、という基準です。ところが、そのときと今では仕事の量も種類も違います。

比べるなら、その人の三か月前と今です。できるようになったことを二つ挙げられるなら、進んでいます。挙げられないなら、渡しているものが本人の位置と合っていない可能性があります。

本人に聞くのも早い。何が分かるようになったかを聞くと、こちらが見ていなかった進み方が出てきます。見えていないだけで止まっていない、ということはよくあります。

こちらが見ているのは、渡した仕事のうまくいかなかった部分だけです。うまくいった部分は手元に戻ってこないので、記憶に残りません。判定が厳しくなるのは、材料が偏っているからでもあります。

自分の教え方の型を知っておく

教え方には、考えさせるか手順を渡すかという軸と、任せて待つかそばで見るかという軸があります。誰にでも同じ組み合わせを当てていると、合う相手と合わない相手がはっきり分かれます。

自分の型が分かっていれば、合わない相手のときだけ意識して変えられます。全部を変える必要はなく、片方の軸をずらすだけで通じることが多い。

教え方診断では、この二つの軸で自分の型を見ています。どの型がよいという作りにはしていないので、相手に合わせて動かす場所を決める材料として使ってください。自分の型が見えていると、うまくいかない相手のときに何を変えればいいかが早く分かります。

自分の傾向を確かめてみる

人に何かを教えるとき、渡すものと見守り方には型があります。手順を渡す人と、考えてもらう問いを渡す人。そして、そばで見ている人と、任せて待つ人。この二つの組み合わせで、教え方は4つに分かれます。10問に答えると、あなたが何をどこまで渡しているのかが見えてきます。どれが正しいという診断ではありません。急ぐ場面と育てる場面では、効くものが違います。

10問 / 約2分 / 結果4タイプ

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