人との距離感がわからないと感じるときに、分けて考えたいこと
開示の量と、詰め方の速さ。分けると対処が変わる
説明したあとに、相手が要するにどういうこと、と聞き返してくる。丁寧に話したつもりなのに伝わっていないので、次はもっと詳しく話そうとして、さらに長くなる。この繰り返しになっているとしたら、足りないのは情報量ではなく、話す順番のほうです。
何が起きたかを順番どおりに話すのは、話す側にとっては自然です。実際にその順で経験しているので、思い出す負担が最も小さい。ところが聞く側は、その話がどこへ向かうのかを知らないまま情報を受け取ることになります。置き場所がないので、聞いた端から抜けていきます。
先に結論や依頼を置くと、その後の情報に置き場所ができます。判断してほしい、報告だけ、相談したい。この一言を最初に置くだけで、同じ内容が半分の長さで伝わることがあります。
結論から話すのが苦手な人は、結論が固まっていないうちに話し始めていることが多い。その場合は、まだ結論が出ていない、という状態そのものを最初に伝えれば足ります。相手はそのつもりで聞けます。
自分がよく知っている話題ほど、相手も同じ前提を持っていると錯覚します。関係者の名前、経緯、専門的な言葉。説明の中でこれらを断りなく使うと、聞き手は一つ引っかかるたびに理解が止まり、そこから先の話が入りません。
対策は、話す前に相手が知っていることを一つ確認することです。この件は聞いていますか、という一言で、必要な説明の量が決まります。確認せずに始めると、多すぎるか少なすぎるかのどちらかになります。
多すぎる説明も、わかりにくさの原因になります。すでに知っていることを聞かされる時間が続くと、聞き手の集中が切れ、肝心な部分で戻ってこられません。
相手が詳しいかどうかで話し方を変えるのは、手を抜くことでも媚びることでもありません。同じ内容を同じ精度で届けるための調整で、届かなければ話した意味がなくなります。
説明が長くなる人は、話す材料を多く持っていることが多い。持っているものを全部出そうとすると長くなりますが、削ろうとしても、どれも必要に見えるので減りません。基準がないからです。
基準は、相手が次に何をするかで決まります。判断してもらうなら判断に要る材料だけ、作業してもらうなら手順だけ。この基準に照らすと、背景の説明のほとんどは落とせます。落とした部分は、聞かれたときに出せば足ります。
先に全部説明しておきたくなるのは、あとで聞かれるのが怖いからです。ただ、聞かれてから答えるほうが短く、相手の関心のある部分にだけ答えられます。
口に出しながら考えがまとまるタイプの人は、話し始めの部分が下書きになります。下書きの部分まで相手が聞かされるので、わかりにくくなる。考えが整理されるのは終盤なので、話の最後だけが分かりやすいという状態になります。
この場合、直すのは話し方ではなく、話し始める前の数十秒です。何を言うかを一行だけ決めてから口を開く。一行が決まっていれば、残りは話しながら組み立てても崩れません。
会議や電話のように準備の時間が取れない場面では、最初に一拍置くだけでも変わります。沈黙の数秒は、聞き手にとっては気にならない長さです。
逆に、話しながら考える力は、議論の場では強みになります。直すべきは説明の場面だけで、全部の話し方を変える必要はありません。
口頭で伝わりにくい人は、文章でも同じ順番で書いていることが多い。ただ、文章には直せる利点があります。書いたあとに読み返して、結論の位置を先頭へ動かすだけで、伝わり方がかなり変わります。
一文が長い場合も、切るだけで読めるようになります。接続の言葉でつなぎ続けると、主語がどこにかかるのか分からなくなる。二つの内容が入っている文は、機械的に二文に分けて構いません。
文章で整える練習をすると、口頭で話す順番も少しずつ変わります。書いたものは残るので、自分の癖を観察しやすく、直した結果も確認できるためです。
同じ説明でも、背景を知っている相手には十分で、知らない相手には足りません。相手が変わるたびに評価が変わるのは自然なことで、常に同じ話し方で全員に通じることはありません。
特定の相手にだけ通じないなら、内容ではなく前提の差が原因です。全員に同じように言われるなら、順番の問題である可能性が高い。この切り分けだけでも、直す場所がはっきりします。
聞き返されたときは、同じ説明を繰り返さずに、順番を変えて言い直すほうが早い。同じ順番で繰り返すと、相手も同じところで詰まるので、二度手間になります。
自分がどういう話し方をしているのかは、話している最中には見えないところです。話し方診断では、結論から入るか経緯から入るかと、話しながら組み立てるか整理してから話すかの二つを見ています。
同じ出来事を話しても、人によって始め方が違います。結論から言う人と、その日の様子から順に語る人。そして会話の中で、自分から話す側にまわる人と、相手の話を引き出す側にまわる人がいます。この二つの組み合わせで、話し方は4つのかたちに分かれます。10問に答えると、あなたが会話でどう振る舞っているかが見えてきます。話し上手かどうかを測るものではありません。
10問 / 約2分 / 結果4タイプ
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