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人との距離感がわからないと感じるときに、分けて考えたいこと

人との距離感がわからない、という感覚には、正解の距離を知らないから困っているのではなく、自分がいつもどちら側にずれるのかを知らないから困っている、という側面があります。まずは悩みをひとつの塊として扱うのをやめるところから始めます。

「距離感がわからない」は2つの悩みが混ざっている

人との距離がつかめないという感覚は、ひとつの問題に見えて、実際には性質の違う2つのずれが混ざっていることがほとんどです。ひとつは「どこまで自分の話をするか」という開示の量。もうひとつは「どのくらいの速さで相手に近づくか」という詰め方の速さです。

この2つは独立して動きます。自分のことは何でも話すのに、自分から誘うことは絶対にしない人がいます。逆に、誘うのも連絡するのも自分からなのに、悩みだけは一切打ち明けないという人もいます。どちらも「距離感がわからない」と感じていますが、つまずいている場所は正反対です。

まとめて「コミュニケーションが下手だから」として扱うと、打つ手が的外れになります。開示が先に行きすぎて相手を戸惑わせている人が「もっと積極的に誘おう」と頑張ると、事態はかえって悪くなります。

開示の量は、深さを揃えるだけでほとんど解決する

どこまで話すかに絶対の正解はありませんが、実用的な目安はあります。相手が話した内容と同じ深さのことを返す、という揃え方です。天気の話には天気の話を、仕事の愚痴には仕事の愚痴を返す。相手がまだ趣味の話しかしていない段階で家庭の込み入った事情を話すと、相手は返す言葉の深さを持ち合わせていないので、黙り込むしかなくなります。

「引かれた」と感じる場面の多くは、話の内容が重かったからではなく、深さが揃っていなかっただけです。まったく同じ話でも、相手が先に自分の家族のことを話していれば、何の問題もなく受け取られます。順番の問題であって、内容の問題ではないことが多いのです。

逆に、いつまでも浅い話しか返さないでいると、相手は「この人は自分に関心がないのだな」と受け取ります。自分のことを話すという行為は信頼の証明として働くので、返さないこと自体がひとつのメッセージになってしまいます。開示が少ない側にも、少ないなりの伝わり方があります。

詰め方の速さは、相手ではなく自分の癖で決まっている

誘う、連絡する、会う頻度を上げる。こうした「詰める」動きの速さは、相手によって変えているつもりでも、実際にはかなり一定です。人にはそれぞれ自分にとって自然な速度があり、そこを大きく外した動き方は不自然になって続きません。

速い側の人は、相手が同じ速度で返してこないと「嫌われたのではないか」と受け取りがちです。遅い側の人は、相手から来るのを待っているうちに縁が自然に細くなって、あとから気づきます。どちらも本人にとっては「普通にしていただけ」で、悪気はまったくありません。

ここで速度そのものを変えようとすると消耗します。現実的なのは、自分の速度を把握したうえで、例外を先に決めておくことです。たとえば遅い側の人なら、月に一度だけ思い出した相手に連絡する日を作る。それ以外は今のままでいい、という線の引き方のほうが続きます。

正しい距離を探すより、自分の初期設定を知るほうが早い

距離感の悩みがなかなか解けないのは、正解を相手の中に探してしまうからです。心地よい距離は相手ごとに違うので、ひとり分の正解を探し当てても、次の人にはそのまま使えません。探し続ける限り終わりが来ない構造になっています。

一方で、自分の初期設定 — 開示は多いほうか少ないほうか、詰めるのは速いほうか遅いほうか — は、相手が変わっても大きくは変わりません。ここを言葉にしておくと、うまくいかなかったときに「自分がいつもの側に寄りすぎたな」と気づけます。反省が具体的になり、次に活かせます。

相手に合わせて自分を作り替えるのではなく、自分の初期値を知ったうえで、必要なときだけ意識的にずらす。長い目で見ると、これが最も消耗しないやり方です。

自分の初期設定がわかっていると、相手の設定も推し量りやすくなります。返信が遅い相手を「冷たくなった」と受け取る前に、その人はもともと遅い側なのかもしれないと考えられる。これは相手のためというより、自分が余計に傷つかずに済むという点で効きます。

ずれたと感じたときの戻し方

距離がずれたと感じたときに最もやってはいけないのは、急に態度を変えることです。話しすぎたと思って翌日から素っ気なくすると、相手は理由がわからないまま拒絶されたと受け取ります。ずれよりも、その落差のほうが関係を痛めます。

開示が先に行きすぎた場合は、自分の話す量を減らすのではなく、相手が話す番を作るほうが早く戻ります。質問をひとつ足すだけで、深さの釣り合いは取り直せます。減らすのではなく、渡す。

詰めすぎた場合も同じで、連絡を絶つ必要はありません。間隔を少し空けるだけで十分です。ゼロにするとそれ自体が強いメッセージになってしまい、戻すのにかえって手間がかかります。

自分の傾向を確かめてみる

自分のことをどこまで話すか、相手にどこまで踏み込むか。この2つの組み合わせで、人との距離の取り方は4つのタイプに分かれます。10問の質問に答えると、あなたが無理なく縮められる距離と、相手が引いてしまう境目がわかります。

10問 / 約2分 / 結果4タイプ

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