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写真がうまく撮れないのは、機材ではなく手順の問題

きれいだと思って撮ったのに、あとで見ると平凡な一枚になっています。その場の印象はもっと良かったはずなのに、何が足りないのか分からない。設定を調べても難しくて続かず、結局いつもと同じ撮り方に戻る。この差は、機材よりも撮る前の数秒で生まれています。

見た印象と写真がずれるのは、範囲が違うから

その場で見ているとき、人は良いと思った部分だけを見ています。周りの電線も、看板も、人混みも、意識から外れている。ところが写真は範囲の中を等しく写すので、意識していなかったものが同じ強さで入ってきます。印象が薄まるのはこのためです。

だから最初にやることは、設定の調整ではなく、何を写して何を外すかを決めることです。良いと思ったものが一つあるはずなので、それが主役になるように範囲を切る。それだけで、平凡だった一枚が変わります。

外し方は単純で、寄るか、角度を変えるかの二つです。寄れば余計なものは自然に外れ、角度を変えれば背景が入れ替わる。どちらも数秒でできて、機材を選びません。

主役を一つに絞る

全部を入れようとした写真は、あとから見ると何を撮ったのか分かりません。景色も、料理も、人も入っている写真は、情報としては多いのに印象としては薄くなります。伝わるのは、主役が一つに決まっているときです。

主役を絞ると、撮る枚数も自然に減ります。同じ場所で似た写真を十枚撮るより、主役を変えて三枚撮るほうが、あとで使える写真として残ります。

人が入る写真では、背景を主役にするか人を主役にするかを先に決めます。両方を主役にすると、人が小さくて表情が分からず、背景も切れているという写真になりがちです。

決められないときは、二回撮れば足ります。一枚目は全体を入れて、二枚目は主役に寄る。この二枚は用途が違うので、どちらも残しておく価値があります。

光の向きだけは、確認する価値がある

難しい設定を覚えなくても、光がどちらから来ているかを見るだけで写真は変わります。逆光では主役が暗くなり、正面からの強い光では影が消えて平坦になる。斜めから当たる状態が、いちばん形が分かりやすくなります。

屋内では、窓の位置を見て立ち位置を変えます。同じ料理でも、窓を横にして撮ると立体感が出て、背にすると影が落ちます。動くのは自分のほうで、被写体を動かす必要はありません。

時間帯も効きます。真上から光が来る時間は影が強く出るので、朝夕のほうが柔らかい。予定が動かせるなら、撮る時間を選ぶだけで難易度が下がります。

水平と、少しの余白を意識する

傾いた写真は、内容が良くても落ち着きません。建物や水平線が入る場面では、線が画面と平行になっているかだけ確認します。撮ったあとに直すこともできますが、そのぶん端が切れます。

主役を真ん中に置くのが常に正しいわけではありません。少し寄せて、視線の先や進行方向に余白を作ると、写真の中に動きが出ます。逆に、対称の構図では中央がいちばん強くなります。

余白の量は好みで構いませんが、切り詰めすぎると窮屈になります。あとで切る前提で、少し広めに撮っておくと選択肢が残ります。

撮ったあとに、選ぶ工程を入れる

撮る技術より効くのが、選ぶ工程です。同じ場面で数枚撮って、あとから一枚だけ残す。この作業をしていないと、良い一枚が平凡な写真の中に埋もれて、全体の印象が下がります。

選ぶときの基準は、主役が分かるかどうかです。きれいに写っているかではなく、何を撮ったのかが一目で分かるか。この基準だと、判断が速く済みます。

残す枚数を決めておくと、選ぶ作業が習慣になります。一つの場所で三枚まで、と決めると、見返す量も現実的な範囲に収まります。

見返さない写真は、撮っていないのとあまり変わりません。選ぶところまでを撮影の一部として扱うと、自分がどこで外しているかも見えるので、上達が速くなります。

枚数を多く撮ること自体は、悪いことではありません。問題になるのは撮りっぱなしで終わることで、選ばないままだと同じ失敗を何年も繰り返すことになります。

うまさの基準は、用途で変わる

人に見せる写真と、自分の記録として残す写真では、良し悪しの基準が違います。記録なら、構図が甘くてもその日の情報が残っていれば十分です。全部を作品として撮ろうとすると、撮ること自体が億劫になります。

撮る量が多い人は、記録の比率を高くしておくほうが続きます。少ない枚数を丁寧に撮る人は、選ぶ段階での基準を上げたほうが満足度が上がる。同じ助言が両方に効くわけではありません。

その場を楽しむことと、撮ることは競合します。撮ることに集中しすぎると、体験のほうが薄くなる。どちらを優先するかは、その日ごとに決めていいものです。

自分がどういう撮り方をする人なのかは、無意識にやっているぶん見えにくいところです。写真の撮り方診断では、記録として撮るか作品として撮るかと、その場で構えるか流れで撮るかの二つを見ています。

自分の傾向を確かめてみる

写真を撮る理由は、人によって違います。その場の空気を残したい人と、何があったかを記録したい人。そして撮ったあとに選んで見返す人と、撮った時点で役目が終わる人がいます。この組み合わせで、撮り方は4つのかたちに分かれます。10問に答えると、あなたが写真に何をさせているのかが見えてきます。機材や腕前を測るものではありません。

10問 / 約2分 / 結果4タイプ

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