会議で発言できないのは、勇気の問題ではない
話せないのは、話す場所が終わったあとだから
まとめ役を任されそうな流れになると、身構えてしまいます。人前で方針を語るのも、判断を引き受けるのも自分には向いていない気がする。ただ、向いていないと感じているものが、実際にリーダーの仕事の全部かというと、そうでもありません。
リーダーと呼ばれる役割には、別々の作業が束になっています。方針を決める、仕事を割り振る、進み具合を把握する、外と交渉する、揉めごとを収める、士気を保つ。この六つは、必要な性質がそれぞれ違います。
向いていないと感じるとき、たいていは全部が同じ強さで嫌なのではなく、一つか二つが重く見えています。人前で話すのが苦手なのか、人を評価するのが嫌なのか、決めきることが怖いのか。ここを特定しないまま断ると、他の作業ごと手放すことになります。
分解すると、得意な部分が見つかることも多い。進み具合の把握や、割り振りの設計は、目立たない代わりに成果への影響が大きい作業です。
先頭に立って方向を示す型は分かりやすいので、これがリーダー像として定着しています。ただ、実際にうまく回っているチームを見ると、支える形で機能している人も同じくらいいます。
支える型は、判断を全部自分で出すのではなく、判断できる材料をそろえて場に置きます。決めるのは合議でも、材料をそろえた人がいなければ決まりません。この役割は、静かな人でも担えます。
士気の部分も、鼓舞するだけが方法ではありません。予定に無理がない、詰まったときに相談できる、成果が正しく記録される。この三つがあると、雰囲気は自然に安定します。
つまり、型を変えれば同じ成果に届く場面は多い。向いていないのは引っ張る型であって、まとめ役という役割そのものではないことが少なくありません。ここを分けて考えると、選択肢が増えます。
任されたときに最初にやることを決めておくと、その後の負担が下がります。決めるべきは、何を自分で判断して何を任せるか、進み具合をどう確認するか、困ったときにどこへ持っていくかの三点です。
この三つが曖昧なまま始めると、全部の判断が自分に集まります。集まると処理が追いつかず、確認も遅れ、結果として向いていないという感覚が強くなります。負担の原因は能力ではなく設計です。
任せる範囲は、細かく決めるほど楽になります。ここまでは各自で判断してよい、という線を最初に引くと、相談の量が適正になります。
線は途中で動かして構いません。最初は狭く引いておいて、様子を見ながら広げるほうが、任される側にも安心感がある。最初から広く任せて戻すと、信用を下げたように受け取られます。
六つの作業を全部一人で持つ必要はありません。外との交渉が苦手なら、その部分だけ得意な人に頼む形も取れます。役割を分けている組織は珍しくないので、相談してみる価値はあります。
全部を抱えたまま我慢すると、苦手な部分の質が下がり、得意な部分に使う時間も削られます。分けたほうが、チーム全体の成果としては上がります。
分ける相談は、任される前のほうが通りやすくなります。受けるときの条件として出せば調整の余地があり、始まってから言うと、できないという申告として受け取られます。
頼む相手がいない場合でも、順番を変えることはできます。苦手な作業を後半に置き、得意な部分で先に成果を出しておくと、周りの協力が得やすくなります。
受けたくない場合も、理由を具体的にすると扱いが変わります。まとめ役は難しいが、進行の管理なら引き受けられる。この形なら、意欲がないという評価にはなりません。
また、時期の問題であることも多い。今は手持ちの仕事が多い、経験が足りない部分がある。時期を示すと、次の機会につながります。
断ったあとに、別の人が苦労しているのを見て引き受け直すこともあります。判断は一度きりではないので、そのときの状況で決めて構いません。
ただし、毎回断り続けると、任される範囲が固定されていきます。範囲が狭まっても構わないかどうかは、別に考えておく必要があります。
一度うまくいかなかった経験があると、向いていないという結論が強く残ります。ただ、その一回は設計や状況の影響が大きいことが多く、性質の判定としては材料が足りません。
小さい範囲で試すと、判定の精度が上がります。数人の作業をまとめる、短期の案件を持つ。負荷の小さい形なら、失敗しても影響が限定されます。
実際にやってみると、想像していた負担と違う部分が見つかります。人前で話すことが少なかった、判断より調整の仕事が多かった。この差は、やる前には分かりません。
自分がどういうまとめ方をする人なのかは、任される前には測りにくいところです。リーダー適性診断では、前に出て決めるか支えて回すかと、人と仕事のどちらに軸を置くかの二つを見ています。
人をまとめる立場になったとき、前に立って引っぱる人と、後ろから支える人がいます。そして、自分で決める人と、全員の合意を取る人がいます。この2つの組み合わせで、まとめ方は4つのタイプに分かれます。10問に答えると、あなたが力を出せる集団の形と、同じやり方では回らなくなる場面が見えてきます。前に出るほど優れている、という話ではありません。
10問 / 約2分 / 結果4タイプ
リーダー適性診断を受ける