先延ばしを治すのに、やる気を出そうとしない
後回しになるのは、最初の一手が決まっていないから
信号待ちで足が動く、相手の話の続きが読めた時点で先に答えてしまう、届いたものは中身を見る前に開けている。あとから振り返ると急ぐ必要のない場面ばかりで、直したいと思うのに、次の日には同じことをしています。ゆっくりやろうという決意が効かないのは、原因が速さの側にないからです。
せっかちだと言われる人は、常に高速で動いているわけではありません。困りごとが出るのは、動きが止まった瞬間です。信号、行列、読み込み中の画面、相手が考えている数秒。ここで落ち着かなくなるのが実際の中身です。
つまり、速く動くこと自体は問題になっていません。止まっている時間をどう扱うかが決まっていないので、その空白が不快として処理されているだけです。空白の埋め方を持っている人は、同じ速さで動いていてもせっかちには見えません。
この見方に変えると、直す対象がはっきりします。動作を遅くするのではなく、待ち時間に置くものを決めればいい。前者は一日中意識し続ける必要がありますが、後者は数か所で済みます。
一日を通してせっかちな人は、実はあまりいません。仕事では待てるのに家では待てない、初対面では落ち着いているのに親しい人には先を急ぐ、という形で偏りが出ます。全部が同じ性質なら、この差は説明できません。
偏りが出るのは、その場面に予測がついているかどうかで変わるためです。この先どうなるか分かっている場面では、待つ時間が無駄に見える。分からない場面では、待つこと自体が情報収集になるので苦になりません。
だから直すときは、全部を対象にしないことです。困っている場面を二つか三つ挙げると、そこにだけ共通の条件が見つかります。多くの場合、相手の作業を見ているとき、結果が出るまでの待ち時間、そして自分が先を読めている会話の三つに集中します。
条件が分かれば、その場面にだけ対策を置けます。逆に、全体を性格として直そうとすると、対策の置き場所がどこにもなくなる。せっかちを直したいという話が毎回立ち消えるのは、この段階で止まっているからです。
相手の話の途中で結論が読めると、そこで答えたくなります。実際に合っていることも多いので、成功体験として積み上がる。ただ、外したときの損失が大きく、外したことに気づくのも遅れます。
話の後半には、前半から予想できない条件が入っていることがあります。先に答えると、その条件を聞かないまま話が進むので、あとで作業をやり直すことになる。全体では、最後まで聞いたほうが早く終わります。
対策は簡単で、相手が話し終えるまで自分の口を開かないと決めるだけです。難しいのは実行のほうなので、代わりに手を動かします。言いたくなった内容を短くメモすると、口に出す代わりの置き場所になります。
貧乏ゆすり、画面の連打、まだ来ないものを何度も確認する。これらは判断ではなく反射に近く、気づいたときにはもう始まっています。意識で止めようとすると、止めることに注意を使い続けることになって疲れます。
効くのは、手や目に別の役割を与えておくことです。待ち時間に開くものを一つ決めておく、歩数を数える、周りを一つ観察する。内容は何でもよく、決まっていることのほうが重要です。
決めていないと、待ち時間が始まってから何をするか探すことになります。探している時間がまた空白になるので、結局落ち着かないまま順番が来る。中身より、決まっていること自体が効いています。
待ち時間の長さを先に見積もっておくのも有効です。三分だと分かっていれば、三分ぶんの過ごし方が選べます。終わりが見えない待ち時間が、いちばん重くなります。
自分の作業を急ぐぶんには、損をするのは自分だけです。ところが同じ速さを人に求めると、相手は急かされたと受け取ります。ここが、せっかちが人間関係の問題になる分かれ目です。
急かしているつもりがなくても、進み具合を何度も確認する、相手の作業を横から取って自分でやる、という形で伝わります。とくに後者は、相手の学ぶ機会をそのまま奪うので、次も同じ速さで進まないという結果になります。
先に締め切りを共有しておくと、この確認が要らなくなります。いつまでに必要かが決まっていれば、途中の進み具合を見なくても待てる。確認の回数が減るぶん、相手の速度も上がります。
せっかちと呼ばれる性質には、判断が速い、着手が早い、放置しないという利点がついています。これらを全部落として穏やかになると、動き出しの早さも一緒になくなります。直す対象を間違えると、得意なところを削ることになります。
残すのは、自分の作業に向いている速さです。減らすのは、待ち時間の不快と、人に向けた催促の二つ。この切り分けができていれば、直すために我慢する場面はかなり少なくなります。
周りから見た印象も、動きの速さより、待たされたときの態度で決まっています。速い人が嫌がられるのではなく、待てない態度が伝わったときに嫌がられている。
自分がどの場面で待てなくなるのかは、急いでいる最中には見えません。せっかち度診断では、動き出しの早さと、思いどおりに進まないときの反応の二つを見ています。
待つことになったとき、どのくらい待っていられるか。並ばずに別の店へ行く人もいれば、待っている感覚そのものがない人もいます。待たない人は動いた量が多くなり、待てる人は選べる範囲が広くなる。どちらが優れているという話ではありません。10問の場面でどう振る舞うかを選ぶと、あなたのせっかち度が点数で見えてきます。
10問 / 約2分 / 結果4タイプ
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