人との距離感がわからないと感じるときに、分けて考えたいこと
開示の量と、詰め方の速さ。分けると対処が変わる
手が回っていないのは分かっているのに、頼むという選択が最後まで出てきません。相手も忙しそうだし、説明する時間で自分がやったほうが早い気もする。そうやって全部抱えた結果、締め切り前に慌てることになる。頼れない状態が続くとき、詰まっているのは遠慮ではなく渡し方のほうであることが多いです。
人に頼むとき、頭の中では作業の相談ではなく、自分の力量の申告として処理されていることがあります。頼んだ時点で、これができない人だと登録される気がする。この見方をしていると、頼む行為そのものに損失がついてくるので、限界まで我慢する形になります。
ただ、外から見ると評価は逆に動くことが多い。抱えて締め切りを割るほうが問題として大きく、早い段階で相談してきた人のほうが扱いやすいと受け取られます。実際に評価が下がるのは、頼まなかった結果として起きた遅れのほうです。
ここを切り離せると、頼む判断が軽くなります。作業の割り振りは能力の話ではなく、量と時間の話です。同じ量を一人で持つか二人で持つかというだけの違いだと考えると、口に出しやすくなります。
頼めない理由として「説明するほうが時間がかかる」を挙げる人は多く、これはたいてい事実です。ただし、その原因は相手の理解力ではなく、仕事が渡せる単位に切られていないところにあります。全体を丸ごと説明しようとすれば、当然長くかかります。
切り出す単位は、前後の判断が不要な部分を選びます。集める、並べる、確認する、形式を揃える。これらは背景を知らなくても実行できるので、説明が数行で済みます。判断の要る部分は自分に残しておけば、品質も落ちません。
この切り分けは、頼むためだけの作業ではありません。切ってあると、自分の作業も再開しやすくなります。中断からの復帰が速くなるので、頼まない日にも効きます。
一度切っておけば、次からは同じ形のまま渡せます。二回目以降は説明もほとんど要らなくなるので、頼むための費用は回を重ねるごとに下がっていきます。
手が空いたときにお願いします、という頼み方は、相手にとって最も扱いにくい形です。いつまでに何をどこまでやればいいのかが決まっていないので、着手の判断ができず後回しになります。結果として、頼んだのに進まないという経験だけが残ります。
出すときは、期限と範囲を一緒に置きます。明日の午前まで、この形式に揃えるところまで。範囲が決まっていれば、相手は自分の予定と照らして受けるかどうかを判断できます。断りやすい形で出すことは、相手への配慮でもあります。
そして、途中の口出しは減らします。渡したあとに何度も確認すると、相手の負担が増え、次から受けにくくなります。範囲を決めたなら、結果を見るまで待つほうが関係として続きます。
頼めない人は、断られた場面を強く記憶しています。一度断られると、次から頼むこと自体をやめてしまう。ただ、断りの理由は相手の予定である場合がほとんどで、こちらへの評価とは関係がありません。
扱いを先に決めておくと、この記憶が積み上がりません。断られたら別の人に回す、あるいは期限を延ばす。次の手が決まっていれば、断られること自体が手順の一部になります。
また、断られる可能性を織り込んで早めに頼むと、選択肢が残ります。締め切り直前に頼むと、断られた時点で打つ手がなくなり、その一回が強い記憶になります。
頼む相手を分散させておくのも有効です。一人に集中していると、その人の状況次第で全部が止まり、断られた一件がそのまま行き止まりになります。
自分が頼まれる側だったときのことを思い出すと、頼まれたこと自体を負担に感じた場面は多くないはずです。むしろ、直前に急に降ってきたときや、範囲が曖昧だったときに困っています。負担になるのは頼まれることではなく、頼まれ方です。
自分が頼むときも同じで、形が整っていれば相手の負担は小さくなります。遠慮の代わりに整えるほうが、実際には相手にとって助かる対応になります。
頼られた側が得ることもあります。任された経験や、こちらの仕事の中身が分かること。抱え込みは、相手からその機会を取り上げている状態でもあります。
頼るかどうかをその場の状況で判断していると、判断するのは常に余裕のない状態のときになります。余裕がないときほど、説明する体力もないので抱え込みが選ばれる。悪循環はここで起きています。
先に線を引いておくと、この判断が要らなくなります。この時間を超えたら相談する、この件数を超えたら分ける。数字で決めておけば、そのときの気分に左右されません。
決めた線を周りと共有しておくと、さらに動きやすくなります。基準を知っている人がいれば、超えたときに向こうから声をかけてもらえることもあります。
自分がどういう頼り方をする人なのかは、抱えている最中には見えないところです。頼り方診断では、人に渡せる量と、頼るまでにかかる時間の二つを見ています。
手が足りなくなったとき、あなたはいつ声をかけますか。そして、何をしてほしいと言えますか。助けを求めるまでの早さと、頼み方のはっきりさ。この2つの組み合わせで、頼り方の癖は4つのタイプに分かれます。10問に答えると、あなたの頼り方がうまく働く場面と、同じやり方では回らなくなる場面が見えてきます。
10問 / 約2分 / 結果4タイプ
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