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覚えるのが苦手なときは、入れ方より出し方を変える

何度も読んだはずなのに、いざ使う場面で出てきません。覚えたつもりの手順を確認し直し、名前が思い出せずに言葉に詰まる。周りは一度で覚えているように見えるので、自分の記憶力が悪いのだと考えてしまう。ただ、差が出ているのは覚え方の工程のほうです。

読み返すのは、入れる作業でしかない

覚えようとするとき、多くの人は繰り返し読みます。読んでいる最中は内容が分かるので、覚えられている感覚があります。ところが、この感覚は入っているかどうかではなく、目の前に書いてあるから分かるという状態を反映しているだけです。

使う場面で必要になるのは、書いてない状態から取り出す動作です。入れる作業ばかりを繰り返しても、この動作の練習にはなりません。読んだ回数と、思い出せる確率が一致しないのはこのためです。

取り出す練習は簡単で、読んだあとに本を閉じて、思い出せることを書き出すだけです。書けなかった部分が、覚えていない部分になります。この差分が見えるだけで、次に読むときの効率が変わります。

書き出す作業は面倒で、思い出せないと気分も良くありません。ただ、その負荷がかかっている状態こそが定着に効いている部分なので、楽な方法に戻すと元に戻ります。

間隔を空けたほうが、残る

一日で集中して繰り返すより、日を空けて数回触れるほうが長く残ります。まとめてやると、その日は完璧に思えても、一週間後にはほとんど消えていることがある。忘れかけた状態で思い出す動作が、いちばん強く効きます。

だから、忘れることを失敗として扱わないほうがいい。忘れかけているタイミングで確認するのが最も効率のいい形なので、少し間を空けるのは手順の一部です。

間隔は厳密でなくて構いません。翌日、三日後、一週間後。この程度の粗さでも、当日にまとめて固めるやり方とはかなり差が出ます。予定に組み込むより、思い出したときに一度確認する程度で足ります。

覚える量を、先に減らす

覚えられない原因が、量にあることは多い。全部を同じ重さで覚えようとすると、どれも中途半端になります。実際に必要なのは、判断に使う部分と、頻繁に出てくる部分だけであることがほとんどです。

減らすには、書いてあるものを二つに分けます。思い出せないと困るものと、その場で調べれば済むもの。後者は覚えなくていいので、覚える対象から外します。外した分は、どこを見れば分かるかだけ記録しておきます。

分ける作業自体が、内容の理解を進めます。どちらに入れるか判断するには、内容を一度自分の言葉で整理する必要があるためです。

結びつけると、取り出し口が増える

単独の情報は、思い出す手がかりが一つしかありません。何かと結びついている情報は、複数の経路から取り出せるので、出てきやすくなります。すでに知っていることに引っかけるのが、いちばん手間のかからない方法です。

結びつけ方は、正確でなくても構いません。似た形、似た響き、自分の経験。他人から見て意味不明でも、自分の中でつながっていれば取り出し口として働きます。

順番のあるものは、流れで覚えると強い。手順が三つあるなら、それぞれを別々に覚えるのではなく、なぜその順番なのかを一つの話として持つ。理由が入ると、抜けた部分を復元できます。

人の名前のように、結びつける材料がもともと少ないものは苦戦します。この場合は、無理に覚えようとするより記録して確認するほうが速い。覚えられないものと、記録するものを分けておけば実務は回ります。

外に置く判断も、覚え方のうち

全部を頭に入れる必要はありません。手順や連絡先のように、正確さが要るものは書いて置くほうが安全です。覚えていられるかどうかに依存する運用は、忙しい時期に崩れます。

外に置くときは、置き場所を一箇所にまとめます。分散していると、どこに書いたかを覚える作業が新しく発生して、結局同じ問題が起きます。

頭に入れておくべきなのは、置き場所と、そこに何があるかだけです。この形にすると、覚える量が大幅に減り、必要なときに確実に取り出せます。

覚え方の型は、人によって違う

書いて覚える人、声に出して覚える人、図にして覚える人、人に説明して覚える人がいます。どれが優れているということはなく、合っていない方法を使っていると効率だけが落ちます。

自分に合う型は、過去にうまくいった場面から探せます。試験でも仕事でも、覚えられたときに何をしていたか。思い出せないなら、二つの方法を同じ内容で試して比べると分かります。

周りが勧める方法が自分に合うとは限りません。人に説明すると覚えられる人が、書いて覚える人に同じ助言をしても効かない。勧められた方法が続かなかったとしても、それは意志の弱さではありません。

自分がどういう覚え方をする人なのかは、苦手意識があると見えにくいところです。覚え方診断では、丸ごと覚えるか要点で覚えるかと、頭に入れるか外に記録するかの二つを見ています。

自分の傾向を確かめてみる

同じことを覚えていても、頭の中での置かれ方は人によって違います。意味として覚えているのか、形として覚えているのか。そして思い出すときに順を辿るのか、待っていると出てくるのか。この組み合わせで、覚え方は4つに分かれます。10問に答えると、あなたが何を手がかりに覚えて引き出しているのかが見えてきます。記憶力の良し悪しを測る診断ではありません。

10問 / 約2分 / 結果4タイプ

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