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怒りやすいのを直したいとき、抑えるのは最後にする

怒りやすいのを直したい、と考えるとき、たいていは出そうになったところを抑える練習をします。ただ、抑える作業はその場でやるものなので、成功しても消耗が残ります。手を入れるなら、立ち上がる手前か、出したあとの形か、どちらかのほうが軽く済みます。

出る速さと、出す場所は別のもの

怒りやすいと言われる人には、二つの型が混ざっています。立ち上がるのが速い人と、外に出す量が多い人です。速いけれど外には出さない人もいれば、じわじわ溜まってから一度に出す人もいます。

この二つを混ぜたまま直そうとすると、方法が合いません。速い人が我慢の練習をしても、速さは変わらないので毎回同じ量を我慢することになります。溜めてから出す人が我慢を足すと、出るときの量が増えます。

自分がどちらかは、思い出す場面で分かります。その場で言い返している記憶が多いなら速い型。あとから思い出して腹が立つ記憶が多いなら、溜まる型です。

速い型は出る前に置く時間を作る、溜まる型は小さいうちに出す場所を作る。方向が逆なので、ここを取り違えると何をしても効きません。

立ち上がる手前に、決まった動作を一つ置く

速い型に効くのは、我慢ではなく間を作ることです。返事をする前に一度水を飲む、席を立つ、手元のものを置く。何でもいいので、話す前に必ず入る動作を決めておきます。

動作を挟むと、そのぶんだけ言葉が遅れます。遅れた数秒で、いちばん強い言い方が抜けることが多い。抑えているのではなく、単に順番を変えているだけなので、消耗しません。

うまくいかないのは、動作を決めていないときです。その場で何かしようとすると、何をするか考える余裕がないので、結局そのまま言ってしまいます。決めておくことのほうが本体です。

文字のやりとりなら、もっと簡単に間を作れます。書いてから送るまでに一度別の画面を開く、と決めておく。書く作業そのものは止めなくていいので、我慢している感覚も出ません。

溜めてから出す型は、小さいうちに出す

その場では言わずに済ませ、あとで一度に出す型は、出すまでのあいだ本人がずっと抱えています。しかも出すときには理由が積み上がっているので、量が大きくなり、相手には突然に見えます。

この型に効くのは、我慢の練習ではなく、小さいうちに一度出しておくことです。気になった時点で一行だけ言う。この段階なら言葉も強くならず、相手も受け取れます。

小さく出すのが難しいのは、こんなことで言うのは大げさだと感じるからです。ただ、大げさに見える段階で言わないと、大げさでない段階が来ません。溜まってから出すと、必ず大きな話になります。

一行で言えるうちに言う、という基準にすると分かりやすくなります。説明が必要な量になっていたら、それはもう溜まったあとだということです。長い説明が要る時点で、伝わりにくさも一緒に増えています。

抑えたぶんは、消えずに形を変える

その場で抑えるのが得意な人ほど、あとから別の形で出ることがあります。口数が減る、返事が短くなる、頼まれごとを引き受けなくなる。本人は怒っていないつもりでも、相手には伝わっています。

この出方が厄介なのは、理由が説明されないことです。相手は何が起きたか分からないまま距離だけを感じるので、確かめようがありません。はっきり言われるより、こちらのほうが関係を削ります。

抑えると決めたなら、抑えたことを一言だけ伝えておくほうがいい。いま少し引っかかってる、で足ります。中身を全部言わなくても、態度の理由が分かれば相手は動けます。

伝わる形は、評価ではなく事実のほう

怒りが伝わらないのは、量ではなく形のせいであることが多い。相手の性格や姿勢を言うと、相手は自分を守る側に回ります。守りに入った相手には、こちらの言い分が届きません。

届く形は、起きたことと、そのときこちらがどうなったかの二つです。連絡がなかった、待つことになった。この二つだけなら、相手は否定しようがないので、話が中身に進みます。

この言い方は、怒りを弱めるためのものではありません。同じ強さのまま、届く場所を変えるための形です。弱める必要がないので、我慢とは別の作業になります。

実際にやってみると、伝わった回のほうが後に残るものが少ないことに気づきます。あとまで引きずるのは、たいてい伝わらなかった回のほうです。言えたかどうかではなく、届いたかどうかで残り方が変わります。

怒らない人になる必要はない

怒りやすいのを直すという言い方には、怒らない状態が正解だという前提があります。ただ、怒りは線を越えられたときに出るものなので、まったく出ない状態は線がない状態でもあります。

実際に困っているのは、怒ること自体ではなく、出方が場面に合っていないことのほうです。言うべき場面で出ないのも、言わなくていい場面で出るのも、同じ問題の裏表です。

怒りやすさ診断では、立ち上がる速さと、外に出すかどうかの二つで自分の型を見ています。強い側が悪いという作りにはしていないので、どちらに手を入れるかを決める材料として使ってください。

自分の傾向を確かめてみる

同じことを言われても、その場でかっとなる人と、家に帰ってから腹が立つ人がいます。そして、それを口に出す人と、出さずに済ませる人がいます。火のつく速さと、出し方の向き。この2つの組み合わせで、怒りの出方は4つのタイプに分かれます。10問に答えると、あなたの怒り方が場を動かす場面と、自分に返ってくる場面が見えてきます。

10問 / 約2分 / 結果4タイプ

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