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同じ曲ばかり聴いてしまうのは、探す工程がないから

気づくと数年前と同じ曲を再生しています。新しいものを聴きたい気持ちはあるのに、探すのが面倒で結局いつもの順番に戻る。年齢のせいで感性が固まったのだと言われることもありますが、変わっているのは感性ではなく、曲に出会う経路のほうです。

出会う経路が、細くなっている

学生のころに新しい曲をよく知っていたのは、探していたからではありません。周りの人が話していた、店や車で流れていた、番組で耳に入った。自分から動かなくても、経路のほうが勝手に運んできていました。

生活が変わると、この経路が減ります。同じ人と会う時間が減り、外で音楽が流れる場所に行く回数も減る。すると、手元にある曲だけが残り、そこから選び続けることになります。

つまり、同じ曲ばかりになるのは、選ぶ力が落ちたのではなく、入ってくる量が減った結果です。入口を一つ作れば、状態は戻ります。

繰り返し聴くことには、機能がある

同じ曲を聴くのは、悪いことではありません。よく知っている曲は、聴きながら別の作業ができます。予測できる音は集中を妨げないので、作業中や移動中には向いています。

また、決まった曲を流すことが切り替えの合図になっている場合もあります。始める前にこの曲、という形が習慣として働いていると、曲を変えると切り替えの効果まで落ちます。

だから、全部を新しいものに入れ替える必要はありません。作業用の定番はそのまま残し、別の枠で新しいものを聴くほうが、どちらの機能も保てます。

更新できていないことを問題として扱うと、聴くこと自体が課題になります。楽しみの側の話なので、そこまで重くしなくて構いません。

探す工程を、短く固定する

新しい曲を探す時間を確保しようとすると、たいてい確保できません。まとまった時間が必要な形にすると続かないので、既にある行動にくっつけるほうが実行されます。

たとえば、移動中の最初の一曲だけ知らないものにする。週に一度、既存の曲に似たものが並ぶ一覧を上から流す。どちらも数分で、判断もほとんど要りません。

気に入ったものだけを手元に残し、残りは流します。全部を評価しようとすると疲れるので、残す作業だけを行うのが続く条件です。

判断に迷ったものは、その場で残さなくて構いません。本当に引っかかった曲は、数日後に断片だけ思い出して探し直すことになるので、そのときに拾えば足ります。

似た曲より、外れた曲のほうが更新される

手元の曲に似たものを勧められる経路だけを使っていると、範囲が狭まっていきます。似ているものが並ぶので快適ですが、外側に何があるかは分かりません。

更新には、外れた経路が要ります。他人が選んだもの、自分では選ばない場面で流れているもの、年代や地域が違うもの。当たりの確率は下がりますが、当たったときの更新量が大きい。

外側から入ってきた一曲は、その先の入口にもなります。そこから似た曲をたどれるようになるので、一度当たると範囲がまとめて広がります。

外れた曲を聴いて合わなくても、損失はほとんどありません。数分で終わるうえ、合わないと分かること自体が範囲の確認になります。

人に勧めてもらうのも、この経路の一つです。自分では選ばない範囲から出てくるうえ、探す手間がかからない。感想を返すところまで含めると、会話の材料にもなります。

勧められたものが合わなくても、伝え方に気を遣う必要はありません。合う合わないの情報が相手にも残るので、次の精度が上がります。

場面ごとに、対応させると増える

曲を増やしたいなら、聴く場面を先に分けると効率がいい。作業中、移動中、休むとき、体を動かすとき。場面ごとに必要な性質が違うので、探す対象がはっきりします。

場面が決まっていないと、どの曲がよかったのかも記憶に残りません。同じ曲を流し続けるのは、場面と結びついているから思い出せるという面もあります。

新しい曲を場面に紐づけておくと、次に同じ場面が来たときに自然と再生されます。数回繰り返せば定番の側へ移るので、意識して聴き続ける必要はありません。

場面と結びつかなかった曲は、そのまま消えていきます。全部を残そうとせず、残るものだけ残す形にしておくと、選ぶ負担も増えません。

聴き方の型は、人によって違う

新しいものを次々に探す型と、気に入ったものを繰り返し聴く型があります。前者は幅が広がる代わりに、一曲との付き合いが浅くなる。後者は深く聴ける代わりに、更新が止まりやすい。

どちらが優れているということはありません。困るのは、自分の型と違う聴き方を目標にしたときで、探す型でない人が無理に量を追うと、聴くこと自体が作業になります。

繰り返す型のまま更新したいなら、入れ替えの回数を年に数回に絞る形でも足ります。頻度を上げる必要はなく、定番が一曲増えるだけでも聴く時間の印象は変わります。

自分がどういう聴き方をする人なのかは、習慣になっていて意識しにくいところです。音楽の聴き方診断では、新しい曲を探すか同じ曲を繰り返すかと、聴く場面をどう決めているかの二つを見ています。

自分の傾向を確かめてみる

音楽の聴き方には、二つの分かれ目があります。新しい曲を探しに行くのか、同じ曲を繰り返すのか。そして、音楽だけを聴くのか、何かをしながら流すのか。この組み合わせで、聴き方は4つのかたちに分かれます。10問に答えると、あなたにとって音楽が何をしているものなのかが見えてきます。ジャンルの好みや詳しさを測るものではありません。

10問 / 約2分 / 結果4タイプ

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