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転職に迷うときの判断基準を、先に決めておく

転職に迷っているとき、多くの人はまず求人を見ます。見ているうちに、給与や休日や勤務地が比較の軸として立ち上がってきます。ところがそれは自分で選んだ軸ではなく、求人票に書いてある項目が並んでいるだけです。判断基準は、見る前に持っておかないと乗っ取られます。

辞めたい理由と、行きたい理由は別のもの

転職を考えはじめるきっかけは、たいてい辞めたい理由のほうです。人が合わない、やることが変わらない、評価が納得できない。これは動機としては十分ですが、行き先を選ぶ基準にはなりません。

辞めたい理由だけで選ぶと、いまと違うことが唯一の条件になります。違えばよいので、比べる軸が足りず、条件のいちばん派手なところに引っぱられます。移ったあとに別の不満が出やすいのは、この選び方をしたときです。

行きたい理由は、辞めたい理由を裏返しても出てきません。人が合わないの裏返しは、人が合う職場ですが、それは行ってみるまで分からない項目です。裏返しではなく、これまでで良かった時期を思い出して、そのとき何があったかを書き出すほうが具体的な軸になります。

先に決めておく基準は、三つでいい

基準は多いほど正確になるように思えますが、実際は逆です。項目が増えると、どれも七十点くらいの選択肢ばかりになり、決め手がなくなります。三つに絞って、そのうち一つは絶対に譲らないものとして置くのが扱いやすい配分です。

選ぶときのこつは、あとから変えられないものを優先することです。勤務地や働く時間の形は、入ってから交渉しても動きにくい。逆に、担当する仕事の中身は変わることが多いので、そこを一番の基準にすると外しやすくなります。

書き出したら、いま在籍している場所をその基準で採点してみてください。三つのうちいくつ満たしているかが出ます。二つ満たしているなら、移るより中で交渉したほうが早いこともあります。

「逃げの転職」という言い方に引きずられない

転職を考えると、逃げではないかという言葉が頭に浮かびます。これは判断を鈍らせるだけの言い方で、実務上は使い道がありません。逃げかどうかは、移ったあとの働き方で決まる話で、移る前に判定できるものではないからです。

使えるのは別の問いです。同じことが次の場所でも起きるか。人が合わないのが特定の一人なら、その人がいない場所では起きません。誰といても同じ距離の取り方でぶつかっているなら、場所を変えても持っていくことになります。

この問いなら、答えを自分で調べられます。これまでの職場で同じ形の不満が繰り返されていないかを並べる。繰り返しがあるなら、移る前に一つだけ手を入れておくほうが、次の場所での立ち上がりが変わります。

いま動くかどうかは、別の判断

移りたいかどうかと、いま動くかどうかは切り離せます。基準がはっきりしていても、時期が悪ければ選べる範囲が狭くなる。逆に、迷いが晴れていなくても、条件のいい話が来ているなら受けたほうがいい場合もあります。

時期を測る材料は、自分の側と外の側の二つです。自分の側は、いま話せる実績が揃っているかどうか。区切りのいいところまで来ていないなら、半年待つだけで話せる中身が変わります。外の側は、その分野で人が動いている時期かどうかです。

どちらも整っていないなら、動かないことも判断です。ただし、動かないと決めたなら期限を置いてください。期限のない保留は、モヤモヤだけが続く形になります。

半年後にもう一度考える、と決めておくと、そのあいだの過ごし方も変わります。基準の三つを満たしに行く半年にできるからです。ただ待つ半年と、揃えに行く半年では、次に見る求人の見え方が違ってきます。

迷いが晴れないときに、確かめる順番

基準を書いても迷うときは、順番が逆になっていることがあります。求人を見て、良さそうなものを見つけて、それに合うように基準を後から作っている。この順番だと、どの求人を見ても基準が作れてしまうので、選べません。

戻り方は簡単で、求人を一度閉じることです。何も見ていない状態で三つ書く。書いたあとに見に行くと、同じ求人でも見え方が変わります。書いてから見た人と、見てから書いた人では、選ぶものが違ってきます。

それでも決まらないなら、迷っているのは行き先ではなく、いまの場所を手放すことのほうかもしれません。手放すことへの迷いは、行き先をいくら比べても解けません。

モヤモヤの量を、一度測っておく

転職を考える時期は、判断材料が自分の気分と混ざります。疲れている週は移りたくなり、うまくいった週は残りたくなる。同じ材料を見ているのに結論が振れるので、迷いが長引きます。

振れ幅を小さくするには、気分ではなく状態のほうを測っておくのが早い。いまどのくらい移りたいのかを、時期を変えて二回測ると、気分による振れと本当の傾きが分かれてきます。

転職モヤモヤ度診断では、いまの迷いの量を目盛りで見ています。動くべきかどうかを判定するものではありませんが、自分がどのあたりにいるのかを一度置いてみる材料にはなります。

自分の傾向を確かめてみる

辞めたいというほどではないけれど、何かが引っかかっている。その引っかかりがどの段階まで来ているのかは、自分ではなかなか測れません。日曜の夕方に何を考えているか、来年の話をどう聞いているか、続けている理由を言葉にできるか。10問の場面でどう振る舞うかを選ぶと、いまのモヤモヤの位置が点数で見えてきます。辞めたほうがいい、続けたほうがいいを言う診断ではありません。

10問 / 約2分 / 結果5タイプ

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