人見知りを改善したいときに、性格より先に変えられること
慣れる速さは変わらないが、慣れるまでの回数は変えられる
誘いを受けるときも、頼まれごとを引き受けるときも、頭の中で見返りを計算しています。損をしたくないだけなのに、そんな自分が嫌になる瞬間もある。計算をやめようと決めても止まらないのは、それが判断の道具として働いているからです。止める場所は別のところにあります。
何かを引き受けるとき、かかる時間と得られるものを見積もるのは合理的な作業です。この見積もりができる人は、無理な依頼を早い段階で断れるし、条件の悪い取引にも巻き込まれません。性質としては役に立つ側にあります。
疲れが出るのは、この計算を止められる場面が一つもないときです。仕事でも、友人との時間でも、家族との関係でも同じ物差しを当てていると、常に採点をしていることになります。採点は判断より負荷が高い作業です。
だから、直す対象は計算の有無ではなく、計算を働かせる範囲になります。どこで使ってどこで使わないかを決めておけば、道具として残したまま消耗だけ減らせます。
範囲を決めずに全部で使っていると、うまくいっている関係でも損得の目盛りが出てきます。目盛りが出た時点で、その時間は楽しむための時間ではなくなります。
決め方は単純で、関係や場面の単位で線を引きます。この人との時間は計算しない、この種類の頼みごとは考えずに受ける。決めておくと、その場で判断する必要がなくなります。
選ぶ基準は、長く続いている関係かどうかです。長い関係では、貸し借りが均されるまでの期間が長いので、短期で採点すると必ずどちらかが損に見えます。期間を長く取ると、計算そのものが意味を失います。
反対に、初対面や取引の場面では計算を働かせて構いません。条件が対等でない相手に無防備でいる必要はないので、ここは道具として使う場面です。
線を引いておくと、判断そのものが速くなります。毎回考えなくて済むぶん、そのやりとり自体を楽しめるようになり、終わったあとの疲れ方も変わってきます。
こちらが多く出している、相手はまだ返していない。この記録を持ち続けると、記録すること自体が負担になります。しかも、相手側の記録とは一致しないことがほとんどです。人は自分がやったことを大きく数えます。
一致しない記録同士を突き合わせると、たいてい不満が出ます。相手にその気がなくても、こちらが数えている限り不足が見えるためです。
有効なのは、期限を決めて記録を捨てることです。三か月前より古い貸し借りは数えない、と決めておくと、古い不満が積み上がりません。
捨てても損はしません。まったく返ってこない相手のことは、細かい記録がなくても関係の温度で分かります。数えるのをやめても、判断できる材料は残ります。
損得の計算をしなくても、続けるべきでない関係は見分けられます。会ったあとに疲れが残るか、頼まれごとが一方向に偏っているか、こちらが困ったときに連絡が返ってこないか。これらは数えなくても分かります。
計算に頼って判断していると、細かい収支が合っているうちは続けてしまいます。ところが実際の消耗は、収支ではなく反応のほうに出ます。
だから、判定の基準を収支から反応に移すと、計算の出番が減ります。減らした分だけ日常の負荷が下がるうえ、判断の精度は落ちません。見切る判断も一度で決める必要はなく、距離を少し置いて疲れ方が変わるかを見れば足ります。
見返りを確認してから動く形は、短期では損をしません。ただ、この形を続けると、こちらに情報や機会が集まりにくくなります。人は、条件を確認してくる相手より、先に動いてくれる相手に持っていきます。
先に出すといっても、大きく投資する必要はありません。返ってこなくても構わない範囲で出すのが要点です。範囲を決めておけば、損失は限定されます。
返ってこない相手には、次から出さなければいいだけです。一回目の損失は、その相手を知るための情報として使えます。この形なら打算を捨てなくても関係は広がっていくので、計算する場所を目の前の一件から長い期間へ移しているだけになります。
損得に敏感な人と、そもそも気にならない人がいます。後者が優れているわけではなく、条件の悪い状況に気づかず引き受け続ける弱さもあります。どちらの型にも、事故の起こる場所があります。
敏感な側の利点は、無理な条件を早い段階で見抜けることです。これがあるおかげで、割に合わない依頼を抱えすぎずに済んでいる場面は実際に多くあります。
疲れているときは、この感度が上がります。感度が上がった状態で人間関係を判定すると、いつもより厳しい結論が出るので、その時期の判断は保留にしておくほうが安全です。
自分がどこで損得を意識するのかは、日常では気づきにくいところです。損得診断では、判断にどれだけ計算を入れるかと、その基準を人にも当てはめるかどうかの二つを見ています。
取り分に偏りがあると気づいたとき、人によって見ている場所が違います。自分の分を見る人と、人の分を見る人。そしてそれがその場で終わる人と、あとまで覚えている人がいます。この組み合わせで、損得の感じ方は4つに分かれます。10問に答えると、あなたの中に何がどれだけ残っているのかが見えてきます。気にしないほうがいい、という診断ではありません。
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