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完璧主義をやめたいときに、実際に効くのは手の抜き方ではない

完璧主義をやめたい、と思うときに真っ先に浮かぶのは「もっと適当にやろう」という対策です。ところがこれはほとんど機能しません。適当にやると気持ち悪いからこだわっているのであって、気持ち悪さは意志では消せないからです。別の入口から考えます。

やめる対象を間違えている

こだわりが強いこと自体は、消耗の原因ではありません。細部が気になる人は、気になるからこそ他の人が見落とすものを見つけられます。そこを削ると、消耗が減る前に持ち味のほうが先に減ります。実際、手を抜く練習をして成果が落ちただけで終わる、という失敗はよくあります。

疲れているときに起きているのは、こだわりの強さの問題ではなく、こだわる場所を自分で選べていないという問題です。目の前にあるもの全部に同じ濃さで手をかけていると、どれだけ体力があっても足りません。

つまり、やめるべきなのは「こだわること」ではなく「全部に等しくこだわること」です。この違いを踏まえないまま自分を変えようとすると、うまくいかないうえに自己嫌悪だけが残ります。

消耗している完璧主義には共通の形がある

しんどくなっているときのこだわりには、はっきりした特徴があります。基準が自分の中ではなく外にあることです。「自分が納得できるところまで」ではなく「誰かに何か言われない状態まで」を目指していると、終わりが来ません。相手が何を言うかは自分では決められないからです。

自分の基準でやっているときは、どこかで「よし、これでいい」という感覚が来ます。外の基準でやっているときは、それが来ないまま時間だけが過ぎ、提出したあとも落ち着きません。同じ作業量でも、消耗の度合いはまったく違います。

自分がどちらでやっているかを見分ける目安は、やり直す理由を説明できるかどうかです。「ここが気に入らないから」と言えるなら自分の基準。「なんとなく不安だから」しか出てこないなら、外の基準で動いている可能性が高いと考えられます。

外の基準に切り替わる場面は、たいてい決まっています。相手の反応が読めない仕事、評価に直結する場面、過去に一度失敗した種類の作業。自分がどこで切り替わるのかを覚えておくと、その状況に入った時点で「いま外を見ているな」と気づけます。

手を抜く練習より、先に配分を決める

抽象的に「ほどほどにしよう」と決めても、作業に入った瞬間に忘れます。効くのは、始める前に配分を決めておくことです。この仕事は自分の納得いくまでやる、これは求められた形になった時点で出す、と先に振り分けてしまいます。

配分を決めるときの基準は、完成度の差が相手に届くかどうかです。同じ1時間をかけても、届く仕事と届かない仕事があります。届かないところに時間をかけても、評価も満足も返ってきません。ここを削っても、あなたの持ち味は損なわれません。

決めておく効果は、手を抜けることではなく、迷わなくなることです。作業のたびに「どこまでやるべきか」を考え直す時間が、実は一番体力を使っています。先に決めておけば、その判断を一度で済ませられます。

配分は一度決めて終わりではなく、やってみて外れていたら直す前提で置きます。最初から正しく振り分けられる人はいません。決めておくことの価値は正確さにあるのではなく、判断の回数を減らせることにあります。

こだわりの強さは、そのまま持っていていい

こだわりが強い人は、粗さに気づける人でもあります。この感度は訓練で身につくものではないので、持っているなら資産として扱うほうが合理的です。問題はいつも、向ける先が選べていないことのほうにあります。

向ける先が定まると、こだわりの強さは短所ではなくなります。全部に均等にかけていたときは「細かすぎる」と言われていた人が、一点に集中させた途端に「あの人に見てもらうと安心だ」と言われるようになる。使い方が変わっただけで、性質は何も変わっていません。

だから、目指す状態は「こだわらない自分」ではありません。こだわる場所を自分で決めている自分です。この置き換えができると、完璧主義をやめるという課題は、能力を削る話ではなく配分を設計する話に変わります。

自分がどのくらいこだわる側なのかを把握しておく

配分を決めるには、まず自分の初期値を知っておく必要があります。こだわりが強い自覚のある人でも、実際にどの場面で強く出るのかは意外と把握できていないものです。細部に出る人、期限に出る人、他人の仕事に出る人で、必要な対策は変わります。

自分の傾向がはっきりすると、「ここは自分が過剰になりやすい場面だ」と事前に気づけるようになります。気づけさえすれば、その場で配分を選び直せます。やめようとするより、この気づきを増やすほうがずっと現実的です。

把握しておく価値はもうひとつあります。こだわりが強いことを自分で認めていない人ほど、品質や期限のずれを人のせいにしてしまいがちだからです。自分の側の設定として引き受けられると、周囲との摩擦もかなり減ります。

自分の傾向を確かめてみる

同じ仕事でも、どこまで作り込んで手を離すかは人によって違います。締切と仕上がりのあいだに置く妥協点が、あなたのこだわり度です。10問の場面から30点満点で採点し、4つのタイプに分かれます。作り込む人が優れているわけでも、早く出す人が雑なわけでもありません。それぞれ強い場面と、割を食う場面があります。

10問 / 約2分 / 結果4タイプ

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